ズボラ生活
日々の生活,心理学の研究などなどについて,ダラダラと書いていきたいと思います。
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日心公開シンポに行ってきたよ
テーマは「利他性の心理と行動―思いやりの根源とその意義を探る―」でした。
自分の研究絡みでちょっと興味があったのと,距離的にも行けそうな感じだったので行ってきました。
結構,人集まっていました。

以下,自分メモでございます。


巌佐庸 九州大学
「進化論からみた利他性の起源とその意義について」


ゲーム(理論):利害の異なる個体がそれぞれの利益を追求する
→子どもの生存率と養育との関連

ダーウィンの進化論
自然淘汰によって適応進化する:病気に強く,寒さや暑さにまけず,遠くへ飛び,うまく餌を探し,捕食者から逃れ,大きくなり,多数の子どもを残し,はびこる・・・
しかし,生物はときに,自らコストを賭けて他個体の生存や繁殖を助けることがある←利他行動

血縁淘汰:遺伝的に近い個体への利他行動は進化する(Ex:ミツバチ)
働きバチは子孫を残さない。女王蜂のみが子孫を残し,働きバチが養育。

利他行動の進化する条件:r・b>c
r=血縁度(遺伝子共有率),b=受け手の利益,c=行為者のコスト
血縁が高いほど利他行動を行う

互恵的利他主義 reciprocal altruism
同じ個体と繰り返して相互作用する場合には,将来に相手から助け返してもらえるので利他行動が引き合う

TFT(しっぺ返し戦略)

評判(社会的情報)をもとにして人びとを協力に導く:間接互恵(indirect reciprocity)による進化
→人間にはよくあるが,人間以外には難しい

社会規範:それぞれのプレイヤーの行為をしって,評判を割り当てるルールがある。評判は,後になって制裁,報酬,処罰などを通じてプレイヤーの適応度に影響する。
ESS(進化的に安定な戦略:~均衡解における協力レベルを高く維持できる社会規範は存在するか?それはどのようなものか?Feasibleな社会規範

評判が良い人の非協力行動は評判を下げる
協力を維持させられる社会規範=リーディング・エイト
・本人の評判良く,相手の評判が良い場合は協力
・本人の評判良く,相手の評判が悪い場合は非協力
・本人の評判が悪く,相手の評判が良い場合は協力
・本人の評判が悪く,相手の評判が悪い場合は協力

Kandori norm(1992)
悪い相手に協力したプレイヤーは,悪いとされる。
悪い相手に協力を拒否すると,良い人になれる。

社会規範が,間接互恵によって高いレベルの協力を維持するならば8通りしかありえない→社会規範には普遍性がある。社会規範には集団間で違いがある。

他者への評価を個々人が行う(誤りがあっても協力が成立する:付和雷同も起こる,間接互恵) v.s. 評価は社会全体で決まる(誤りがあると協力が成立しない)

間接互恵が働くには,第三者についての評価を意見交換をする必要がある→言語が重要→人間しかできない→文明の発展?


しゃべりがはやすぎです。領域も違いすぎるので全然消化出来なかった。


小坂裕司 オラクルひと・しくみ研究所所長 静岡大学客員教授 
「マーケティング実務から見た利他性の心理と行動の意義について<経営実務の観点から>」


消費者の感性と行動を探ることをテーマに仕事をしている。
ビジネス(商品・数字)をひとの営み(感性・行動)として考える

ビジネス現場から,利他性について考える

【感性とは?】
Ex)自転車を見て「買いたいなぁ」と思う。自分の生活に自転車に乗る習慣がないにも関わらず欲しくなるのはなぜか?「欲しくなる」気持ちを感性と呼ぶ。

【感性価値創造活動=マーケティング活動の核】
①客との絆作りを行って,顧客数を保ち,強く支持してもらう
②客の感性に訴え,動機づけ,買物行動をしてもらう

購買意欲をそそるためには,感性に訴えることが重要
単なる商品説明では感性に訴えることはできない

【価値について】
①取引価値(認知的):買い物の効用,合理的アプローチ→満足→愛顧意図
②差別的価値(感情的,情緒的):Willingness to pay(WTP)につながる,快楽的価値→満足・情緒→愛顧意図・コミットメント→WTP

情緒を生むのは,差別的価値からしか生まれない。コミットメントも同様。

【絆を育む活動】
①必要条件
 ・お客さんを思う心
 ・商売への真摯な姿勢
 ・一貫性のある態度
 ・十分な能力
 ・裏切らない
②実践活動
 ・適度な接触
 ・自己開示
 ・ポジティブな体験の共有
 ・相手を悦ばせる(相手にとっては思いがけず)

悦ばせると,相手も悦ばせようとする行動が増える

【ビジネス現場で利他性が生まれるには】
・楽しい買い物の提供→感情・情緒→絆・感謝・返報性→利他性行動
・絆作りの活動→感情・情緒・絆・感謝・返報性→利他性行動


さすがビジネスマン。お話うまいです。学術的すぎず分かりやすいです。


村井俊哉 京都大学大学院医学研究科 教授 精神科医師
「脳神経科学からみた利他性の知見とその意義」


自動切符売り場の前で立ち往生している高齢者をみかけたら,多くの人は手を差し伸べるが,それはなぜだろう?そして,一部の人は手を差し伸べないのはなぜだろう?
・社会の中の意思決定は,私達が日々直面する課題である。
・明らかに,そのような意思決定には個人差がある。
・そのような「社会的意思決定」が色々なしかたで,うまくいかなくなるとき,そのことは,色々な精神科の病気と関係しているのかもしれない。
・そして,そういったことは,脳の特定領域と関連しているのかもしれない。

「社会」を脳科学的に考えるには?
ー第0段階ー 行動経済学のモデル:人が一人の場合(非社会) ドーパミン系が関与
人間の行動は,つまるところ,「報酬」によって誘導される。そして,そのような行動を支えるのは,ドーパミン系を中心とした脳の深い場所の神経回路である。これは,人間に特有ではなく,哺乳動物に広く共通する。価値は報酬量に比例せず,単純な期待値計算では語れず,先延ばしになると,価値は減る。(回転寿司の例:食べ過ぎると報酬にならなくなる)

ー第1段階ー 前頭葉が関与
社会的状況は複雑である。ゆえに,脳は柔軟でなければ,社会的状況に対処できない。
・アイオワ・ギャンブル課題:報酬と罰金に関する対人ゲーム。ハイリスク・ハイリターン or ローリスク・ローリターン
交通事故で脳損傷を負った男性。脳損傷後,金銭管理ができなくなって,自己破産。高額なバーなどでさんざんにお金を使ったあとに後悔するが,失敗を繰り返す。
健康な人は次第に,ローリスク・ローリターンの安全志向になるが,前頭葉に傷があると,安全志向にならない。
・アイオワ・ギャンブル課題と行為障害との関連
医療少年院に入所中の行為障害の少年は,このギャンブル課題がうまくできない。目先の利益にこだわり,衝動的に行動するので,長期的視点に立てない。

ー第2段階ー 前頭葉・側頭葉が関与
・社会の中で,うまく判断できるには,脳が柔軟ならそれでよい,というわけではない。
・駆け引きの必要性,他人の視点に立つ力

ー第3段階ー 島皮質,前頭葉
・他人の視点にたつことができれば,脳の役目はおわるのだろうか?
・脳にはもっと大切な事が残っている。
・誰が報酬を手に入れることを,私たちは「価値」あることと感じるか,という問題

囚人のジレンマの駆け引き
→人は,単に自分が利益を得ているときだけでなく,そこに居合わせた別の人も同じように利益を得ているときに,脳にとっては喜びである,という結果
 人は,慈善行為をするとき,誰かが見ているわけではなくても,脳は喜びを感じる
★相手の喜び(報酬)が自分の喜び(報酬)になる。
精神病質という精神障害は,このような数式で理解できる可能性がある。幼少期に前頭葉に傷を負った人の中には,他者の喜びや他者の痛みが理解できず,他者を傷つけるような行動をくり返し,そういうことを続けても,反省したり公開したり,という気持ちが湧いてこない人たちもいる。

しかし,利己的な行動でも利他的な行動でも,結局は近い将来に得られる「報酬」を計算して,それを最大にするために行動している点ではかわりはない(結果主義:功利主義)。・・・こういう結果主義,期待値計算は,単純な「ゲーム」の場合はうまくいっても,社会は複雑すぎて,人生の重要な決断になると,殆どの場合,こうすればこうなる,という結果が予測できない・

ー第4段階ー 前頭葉?側頭新皮質?
義務論
:言語化された規範,意味記憶

美徳の理論:体質とか性格 生得論
・人生において何を重んじるかという人間の正確は,どう育てられたか,ということで決まる(勇敢さ,勤勉さなど)


「動機づけ面接」が有効?

今,村井先生の本も読んでいるが,それと重なっている点が多い。その分,理解しやすい。内容盛りだくさん。パワポ多いです。関西弁が素敵です。見た目,若いです。

竹村和久 早稲田大学
「利他性と思いやりの行動と社会的意義」

社会心理学が専門
Q 人は利己的か利他的か?
利己的であるか,利他的であるかは,完全に反証されない考えである。経験的事実から推論せざるを得ない。

人は意外と冷たい?
→ キティ・ジェノベーズ事件(1964年),サンダーバード事件(2006年),豊田商事会長刺殺事件(1985年)
責任分散と傍観者効果(ラタネとダーリーの実験)

思いやりのある善意の人:オスカー・シンドラー,杉原千畝

・利他的行動の意思決定過程(ラタネ,1970)
・ピリビアンら(1982)の感情に注目したモデル
・シュワルツ(1977)による,道徳的規範が利他的行動を促進する意思決定モデル

竹村と高木(1985)
意思決定の初期には,損失がないかどうかということを考慮し,後期に,道徳的規範が指示しているかどうかということや他者の被害の軽減性を考慮した。また,意思決定過程を通じて,効用理論とは異なる方略を用いていた。

利他的行動の意思決定に影響を及ぼす感情
・気分がよいと援助行動が促進する ← 飴をもらうと利他的になる(竹村の実験:ネタっぽくて面白い)?

利他行動には「注意」も関連している?

利他的行動の意思決定の特徴
・特に,感情や道徳的義務感の役割が強い。このことは,通常の消費者行動の意思決定などとは大きく異なっている。また,このような利他的行動の意思決定は,帰結主義的な効用理論から説明することは難しい.利他的行動の意思決定は,ウェーバーの形式合理性は満たさない。

利他的行動の合理性
・形式合理性は満たさないとしても,実質的な合理性を持つのではないか。一つは,幸福感を与えるという点,もうひとつは,間接互恵性を支えるという点・・・

先生が大学でやっている実験面白い。飴ちゃんの実験とか。パワポ多すぎます。追いかけられません。関西弁は素敵でした。

指定討論もあったのだけども,なんか疲れちゃってメモやめちゃいました。興味深い内容もよくわからんこともたくさんあったが,なにより,刺激になったのが一番の収穫であります。
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